南東北の林道へ

夏季休暇はありがたく長いが、どうも暑すぎるこの時期はバイクに乗るのがおっくうになる。
長袖・長ズボンの正統派スタイルはなるべく守りたいが、止まる度に熱気が下からム~ン、そして汗ダラァ~、想像しただけでウンザリなもの。
ならば少しでも涼しいとこへ行こう!ってな事で針路を北に向けた。(休み1週間ほど前に) 
前日に業務上の事故が発生し、その対応に追われ帰宅したのが22:00を過ぎていた。
それから急いで荷物の整理、バイクの簡単な整備をさささっとこなし、24:00には就寝した。
今回は松さんに高さん、そして松姫が同じ南東北方面に旅する事となりキャンプ道具一式はサポートしてもらう事となった。
テン泊する場所をその日の午後に連絡をし合い、夕方合流して酒盛り+テン泊を楽しむ。
これだけでかなり身軽に出来、林道を攻められる!嗜好が合えばこんな旅の形も良いもんです。
朝は小学生の遠足よろしく4:00に目が覚め、そのまま飯も食わずに4:45に出発!まだ少々明るくなってきた夜明けの雰囲気を久しぶりに味わう。
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足尾を抜け、暫く振りのいろは坂を越え、光徳牧場から”山王林道”へ。
ここも昔は全線ダートで楽しかったなぁ~と懐かしみながら走っていると鹿がいたり(すぐ逃げた)、猿の集団がいたり、舗装化されたにも関わらず、相変わらずの動物天国であった。
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そして待望のダート”川俣桧枝岐林道”へ突入!
フラットダートで実に走り易く、右へ左へ、お尻フリフリで進めます。
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川俣ダムによる人造湖ゆえに、立木の水没姿も湖端には出現する。
なんかもの悲しい景色である。
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途中、”馬坂林道”を過ぎると”帝釈山林道”へと接続する。
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ここも久しぶりだ。
相変わらずダイナミックな栃木側の眺望と楽しいダートである。
(ダート区間:約36Km(川俣線含む))最高!
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桧枝岐村は全国でも有数の豪雪地帯だ。
林道脇の民家はおそらく雪の重みで傾き、今は誰も住んでいない廃墟となっている。
その自然の猛威はすさまじいもので人間の手には当然手に負えないという事を認識させられる。
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R352に出るやいなやガス補給のため、スタンドを探す。
確かこの辺にあったよなぁ~と昔の記憶を手繰りながら走ると変わらず営業していた。
「ハイオク満タン、現金で!」とセルフで普段入れているので暫く振りにこの言葉が出る。
帝釈山林道で結構回したにも関わらず28Km/Lをマーク。
以前のXR600Rだと18Km/L程度しか走らず、非常に助かる。
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再び峠越えをする為、”田代山林道”へ入る。
ここも久しぶり。路面も良好でガレ場も無く、快適に県境へと登り、分水嶺である田代山峠へ。
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ここからは栃木側の眺望も素晴らしく、川俣湖へ向う林道が一望出来る。
ダート21Km。11:30。
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湯西川を抜け”安ケ森林道”へ向かうには、この山神さまから土呂部峠に抜けるのが最短だが、全面通行止めで諦め、川俣大橋まで戻るルートを選択せざるを得なかった。
昼めしもまだだったのでちょうど良いかと・・・県道脇の食堂でやまめ定食を食す。
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湯西川の温泉街から雨が降り出し、暗い気持ちでカッパを着ることに。
県境ではすっかりガスっており景色を楽しむ事が出来ず、フラットで砂地状の路面でケツを滑らせながら走りを楽しむしかなかった。
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携帯の電波が有効なところまで降り、同地方にきているサポート隊へ連絡を入れる。
山を隔てた檜枝岐にいるらしく30分ほどで合流した。
サポート隊は五十里湖脇を通り当地に入り駒止湿原や沼田街道を散策し、同時に今晩の天場を探しつつ放浪していたようだ。
キャンプ場が多く点在するせいなのか「キャンプ禁止」の看板が多く、適当な天場が決まってないと言う。
唯一、たかつえスキー場に向かう空き地がまぁまぁだというので暗くなるのも嫌だから全員一致でそこに決めた。
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雨の中の野宿も久しぶり。今回、高さん所有の一流メーカーのテントなんで水没の心配無し。
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花曇り出迎えた2日目だが、雨が落ちていないのでホッとした。
「今日も林道を走り回るぞ」っと意気込みたいが・・・。数十年前に走った”小塩塩ノ岐林道”を目指したが、入口でまた通行止めだった。
ならばと只見まで行き”本名室谷林道”まで足を延ばす事とした。
サポート隊は昨年の豪雨より不通になっている只見線沿線を散策するとの事。
只見駅前の喫茶店?ブリジストンの古いマークに名前がアリス、そしてレトロ?な佇まい。
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本名ダム脇から入ると走りやすい砂利道か始まる。
入り口の看板に「県境まで通行可能」とあったのでピストン経路となるが、昔ながらの良い路面に思わずアクセルオープンとなってしまう。
山形へ向かう様相らしく山間を縫って道が続いている。
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約17km(往復34km)のご機嫌なダートをかけ昇ると、やはり県境で通行止めだった。
下り(山形側)を見ると廃道化しつつある状況。
大きな土砂崩れ等で通行止めになり生活道路あるいは事業管理道路でない場合、復旧工事が遅れ、もしくはやらなくなりいずれは廃道となる未来しかないのが実情だと感じる。
いつ直すのかなぁ~
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本名に戻り、サポート隊が向かった只見線の状況を俺も見ることにした。
昨年(2011年)の夏に襲来した新潟・会津の集中豪雨。
その爪跡は想像をはるかに超え、すさまじい形相だった。
道路橋、只見線の鉄橋はいたるところで増量した水で流され、1年経った今でも変わらない無残な姿を晒している。
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現在の川面とそこにあったであろう橋下の距離はえらく高さがあり、背筋が凍る思いになるほどだ。
(川岸に流木または植木の残骸があるが高い!)
降雨だけではこんな事にはならなく、ダムの放流に問題があったのでは?という説があり、その運用・管理が地元の人達をはじめJRとの間で争議となっていると聞く。
責任を取ろうとしない大人が多い中で、やはりここにもそんな輩がいるようだ。
どうなっちゃたのかねぇ~
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失敗から得るものは必ずあるのに、その失敗を認めないとは・・・
錆びた只見線のレールが悲しんでいるぜ。
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今日の天場はサポート隊との調整で以前にも利用した新潟 越後湯沢の大峰と決まった。
六十里越えをし守門を経由し、魚沼スカイラインを目指す。
気持ちよくワインディングを攻めてるとポツリポツリ・・・(またか!)
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今回のツーリングは数時間ごとに雨が降ってくるようでカッパを着たり脱いだりまったく落ち着かないものとなった。
石打のスキー場から大峰を目指す林道(スキー場の管理道路?)では、いきなりえらい土砂降りになり、林道を流れ落ちる泥水を逆走する経験を初めてした。
カッパは去年のGWにグースでこけた時に穴があいてお釈迦になったので、今回のために新調したが、やっぱり効かなかった。
この降りじゃ仕方無いと諦めるしかなかった。
既にサポート隊はテントを張り終え、そろそろ夕食の準備に入るところだった。
天場作りはさっきの雨で相当苦労したようだ。
夕食を始める前には巻機山方面に綺麗な虹が現れ、土砂降りの苦労も洗われる回復振りだった。
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雨にたたられたツーリングだったが、仲間のサポートもあり、天場・夕食の心配をする事なく快適に林道を走り回る事が出来た。
全走行距離:870Km
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